コピー先行型のデザイン
キャッチコピーで表される世界観
職業として何かものを作る場合、作り手が好きなように、思いつきだけで作ればいい、ということではない、ということは理解できるかと思います。
商品広告、映画のポスター、SNSに流れてくるプロモーションムービーなどには、何かしらのメッセージ、ストーリー設定や知ってもらうという目的があり、その世界観を再現するのが制作者としての仕事です。
その場合、その設定となる目的やストーリーについては「キャッチコピー」という形で表されていることがよくあります。
全体像はいくつかの言葉の組み合わせで説明されていますが、キャッチコピーとリード文、ボディコピー(本文)で成り立っています。
通常、キャッチコピーは一番大きく、その次に目立つのがリード文、一番ちいさな文字で書いてある長い文章がボディコピーと呼ばれています。
ここでは、一番大きく書かれているキャッチコピーで描かれている世界をどうしたらビジュアル化できるだろうか、ということを考えてみたいと思います。
ただ、そのコピーは自分が考えるのではなく、クリエイティブディレクター、コピーライターといった職種のひとたちが作るものです。
メッセージを伝えるためのコピーとグラフィック
キャッチコピーが持つメッセージをシリーズ的に広告展開する企業も多くあります。そのメッセージを的確に伝えるための役割をグラフィックが持っている、という視点で見てみてください。
こちらは文房具メーカーのトンボの広告ギャラリーです。
https://www.tombow.com/corporate-ad/
商品イメージを大きく見せたり、シーンの中にとけこませて小さく配置したり、時にはほとんで見えない状態であったりもしますが、広告で伝えたいメッセージの世界観を作ることに全力を注いでいるのがわかります。
どのようなグラフィックがそのメッセージをうまく伝えらえるのだろうか、ということを考えてみてください。
商品イメージを使用しないプロモーションの手法
商品やサービスなどをプロモーションするときにはポスターやウェブサイト、SNSなど様々なフィールドで写真やグラフィック、ムービーなど視覚によるアピールが行われます。
その際に、具体的な商品イメージを見せてその魅力を伝えるというダイレクトな方法はとてもわかりやすく、簡単な方法ですが、商品のイメージを見せない、という手法も取られます。
その分、ビジュアル化するためのハードルはあがりますが、ダイレクトに商品を見せる以上の表現の幅が広がり、より高いプロモーション効果が得られることがあります。
花王「アタック」30周年記念プロジェクト
https://mag.sendenkaigi.com/senden/201704/editors-pick/010326.php
洗濯洗剤が発売30周年を迎えた際のプロジェクトで、同じく30才になる各界で活躍する人物が服を汚すことを誇りに思えるストーリーを展開しています。
その汚れをしっかり落とす洗剤はアタックです、という流れですね。
他人が考えた言葉、世界観を再現する方法
他人が考えたコピーを基にしてビジュアルを考える、ということの練習に便利なウェブサービスがあります。
好きなワードを入れると、まるでコピーライターが書いたかのようなキャッチコピーが生まれます。
このサイトにも書いてある通り、このサイトは「ジョークツール」です。世の中に存在するキャッチコピーのパーツを組み合わせて表示してくれているものだということですので、使い方を間違えないようにご注意ください。