実物を使わずに魅せるグラフィック

和菓子の魅力はどこにあるのか

和菓子の魅力を伝え、どうすれば「食べたい」「美しい」「おもたせに買いたい」となるかということを考えてみます。

一番簡単なのは、おいしそうに撮って大きく掲載すること。
これはすぐに思いつくことなので、今回は除外して考えます。

実際、撮影するための商品が手元にないことや、大人の事情などで写真が使えないことなど、よくあります。
そういった状況でも魅力的なものを作れるかどうか、ということを考えてみるとデザインの力がついてきます。

これには才能やひらめきといった天から恵まれたものだけでなく、これまでに見聞きして制作してきた経験やパターンの知識から引き出せるアイデアも武器になります。
ここにあげる例だけでなく、自分でもどんなアイデアがあるか考えてみて、身の回りのヒントを探してみるとよいでしょう。

まずは、いま和菓子はどうなっているのか、和菓子屋関連のリンクを少し集めてみました。

とらや

菓かふぇむらかみ

阿闍梨餅本舗 京菓子司 満月

まほろ堂蒼月

&Premium No. 62 試し読みと目次

キーワードをリストアップ

伝えたい内容が何か、一言で表せる単語、キーワードとしてリストアップしてみるとよりわかりやすくなるかもしれません。

  • 伝統的
  • 手仕事・造形美・木型等の道具
  • 和の美
  • 現代的な側面
  • 色の美しさ
  • ポップ・カラフル
  • ナチュラル・やさしさ

表現方法、対象の見方を変えてみる

  • 写実的に再現する線画・ミニアチュール的な表現
  • モチーフ・ディティール・紋章をグラフィック化
  • 言葉・日本語・文字をグラフィック化した表現
  • 菓子でないもの、イメージで表現
  • 色・テクスチャで表現
  • 擬人・キャラクター化
  • 花や自然に例えてグラフィック化
  • フォトショップやスマホアプリを使った作画
  • モダン、レトロ、アールヌーボーなどアートの系譜に寄せる

参考にするのは和菓子に関するものだけでなくて構いません。
むしろ、洋菓子屋のウェブサイトを参考にしてみたり、日本画の世界をのぞいてみたり、もしかしたら動物園の看板やコーヒーをこぼした服の染みにヒントがあるかもしれません。
自由な気持ちで、無数にある身の回りのヒントを探ってみてください。