レタッチ 肌をきれいに見せる方法
ポートレイト写真で肌をきれいにみせるレタッチの基本を紹介します。
自然に見えるきれいな仕上がりを目指しますので、不自然にならないように気をつけながら作業を進めるようにしてください。
レタッチ内容はおおまかには下記のような流れになっています。
- 不要な毛やシワ、シミ、くすみなどを除去 スポット修復・スタンプツールなど
- 肌をなめらかにみせる ぼかしフィルター
- 肌のツヤにハイライトを入れる トーンカーブ
- 目の白を強調 トーンカーブ
- 歯を白くする 色調補正
素材データはAdobeチュートリアルからダウンロードできますが、RAWデータ現像が必要ですのでご注意ください。
作業レイヤーを準備する
まずは、レタッチする前のデータを残せるように、新規レイヤーを作成し、レイヤー名を「レタッチ」などとしておきます。

レタッチした内容はこのレタッチレイヤーで作業することで作業中、作業後の修正作業が楽になります。
必要に応じてさらに作業レイヤーを増やすなど工夫してください。
スポット修復ブラシツールで不要な部分を除去
[スポット修復ブラシツール]はなぞるだけで周辺コンテンツとなじむように調整してくれます。

作業の際は、レタッチレイヤーが選択されていることを確認してください。
ツールオプションで[合成データからコピーデータをサンプル]をチェックします。

細かい部分は[修復ブラシツール]や[パッチツール]に持ち替えることで、部分的に修正することができます。
拾いたい箇所をoptionキーを押しながらクリックしてから、隠したい箇所をクリックすることで、移植することができます。
[コピースタンプツール]でシワや目の下の影、ほうれいせんを目立たなくしていきます。
optionキーを押しながらクリックしてコピー元を設定します。
一度に消してしまおうとせずに、透明度を下げて何度か繰り返しながら作業をすると自然な仕上がりになります。
[ゆがみフィルター]で顔の輪郭を調整
まずは、元画像の状態を残しておくため画像のレイヤーをcontrol+クリックで[スマートオブジェクトに変換]を選び、フィルターから[ゆがみ]を選びます。
[前方ワープツール]でエラの部分を調整します。
ほかの部分もプレビューを見ながら調整していきます。
自然な仕上がりにするために、あまりやりすぎないように気をつけましょう。
[ぼかしフィルター]で肌をなめらかにする
まずは画像レイヤーを複製します。このままではゆがみフィルターも複製されていますので、なめらかな肌を作るためのレイヤーにするために、control+クリックで[レイヤーをラスタイズ]を選びます。(ゆがみのフィルターは消えますが、効果の見え方は破棄されません)

レイヤーをラスタライズして通常のレイヤーに変換したら、改めて[スマートオブジェクトとして変換]して、[フィルター] > [ぼかし] > [ぼかし(ガウス)]を選択します。
スマートオブジェクトに変換しておくことでぼかしフィルターを再調整することが可能になります。
レイヤー名を「人物」「肌」などわかりやすい名前に変えておきます。
ぼかしフィルターをかけた後に、レイヤーマスクサムネイルを選択してマスクを[反転]させると画面全体がマスクされ、ぼかした状態が見えなくなります。

レイヤーマスクサムネイルを選択した状態で、塗りを白に設定したブラシを、[不透明度][流量][ブラシの硬さ]をどれも低めに設定しておいて、なめらかにしたい部分を描いていきます。
少しずつ重ねるように描いていくのが自然に仕上がるコツです。
塗りの設定を黒にして描くとマスクが戻っていき、元の画像が見えてきます。
[トーンカーブ]でハイライトを入れる
レイヤーパネルで一番上にあるレイヤーを選択しておいて[新規調整レイヤー] > [トーンカーブ]を追加します。
トーンカーブをハイライトを強調する調整をしてもよいのですが、レイヤーモードを[スクリーン]とすることで全体のトーンを平均的に上げることができますので、ここから好みの調整をしてもよいでしょう。
先ほどと同様に、レイヤーマスクサムネイルを選択してマスクを[反転]させて、ブラシツールで描くようにハイライトを入れていきます。
[トーンカーブ]で目の光を強調する
先ほどと同様に[新規調整レイヤー] > [トーンカーブ]を追加して、レイヤーモードを[スクリーン]に変更し、マスクを反転させてからブラシで描くようにして瞳の中をレタッチします。
目の中の白い部分と、黒い部分にある反射部分(アイキャッチ)を強調することで印象的に仕上がります。
[色相・彩度]で歯を白くする
今度は、歯の部分をクイック選択ツールで選択範囲を作ってから[新規調整レイヤー] > [色相彩度]を追加します。

プリセット下にある指のアイコンを選択した状態で調整した歯の部分を横にドラッグします。

歯の部分はイエロー系として認識されると思います。彩度を下げて、明度を少し右に明るい方向に調整しましょう。
ここでブラシツールを使ってレイヤーマスクの調整をすることで、仕上がり具合を見ながら作業をすることができます。
レイヤー全体を見渡した時にどのレイヤーでどういった調整をしたのか理解しておくことでPhotoshopの作業の精度も上がっていきます。
